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Environment 環境 :

環境グローバルポリシー・2050年環境ビジョン

リード文

地球環境

異常気象をはじめとする地球温暖化の影響は年々大きくなってきており、地球温暖化防止に向けた取り組みは、国際社会の重要な課題となっています。また、COP21におけるパリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2℃未満に抑えることが掲げられ、人間活動による温室効果ガスの排出量を実質的にはゼロにしていくことを目標としています。そこで、当社は「環境グローバルポリシー」に基づいた環境ビジョン(ECO VISION 2050)を定めました。環境に対する企業の社会的責任を認識し、豊かな地球環境の実現に向けて、事業活動の全分野において環境に配慮した活動を推進します。

小野薬品工業株式会社 経営企画部 兼 CSR推進室, 小野薬品工業株式会社 CSR推進室, system

環境グローバルポリシー

当社グループは、「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、革新的な医薬品の創製とともに、気候変動などの環境問題の課題解決に取組み、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。

  1. 環境に対する企業の社会的責任を認識し、製品の研究・開発・調達・生産・流通・販売・使用・廃棄にわたる全ての段階において環境に配慮した活動を行います。
  2. 各国・各地域の環境関連法令・協定および自主基準を遵守します。
  3. 環境マネジメントシステムのもと、目標と活動計画を設定し、定期的にモニタリングを行い、情報開示を行います。
  4. 最新の科学技術を積極的に取り入れ、環境負荷の低減を図ります。
  5. 自然環境保護や生物多様性保全のため、資源とエネルギーの効率的な使用、水の効率的利用と適切な排水管理、廃棄物の削減、リサイクルの推進、汚染の予防などに取り組みます。
  6. 社内外のステークホルダーとのコミュニケーションを促進し、協働して環境にやさしい“ものづくり”に取り組みます。
  7. 環境に配慮した取り組みを推進するための教育を通じて、全従業員の意識の醸成を図ります。
小野薬品工業株式会社 経営企画部 兼 CSR推進室, 小野薬品工業株式会社 CSR推進室, system

環境ビジョン

当社は持続可能な社会の実現のため、2050年に向けた環境ビジョン「Environment Challenging Ono Vision(ECO VISION 2050)」を策定しました。

ECO VISION 2050

ビジョン策定の背景

近年、気候変動など地球環境課題が深刻化しており、2050年の未来では、水や食料の不足、新たな疾患の増加、自然災害の甚大化による生活の基盤の破壊など、さまざまな脅威が人々の健康で健全な生活を脅かすと予想されます。
「病気と苦痛に対する人間の闘いのために」という企業理念のもと、当社が、革新的な医薬品の創製によって、未来においても健康で健全な社会づくりを推進するためには、当社の事業活動が健全な地球環境に支えられて成り立っている事を認識し、環境課題の解決に向けた取り組みを強化することが重要です。それが環境に対する企業の責任であると同時に、持続的な事業活動の基盤構築にもつながると考えます。
人々が健康で健全な社会を迎えられるよう、当社は「ECO VISION 2050」のもと、2050年を見据えて環境負荷低減に向けて挑戦していきます。

小野薬品工業株式会社 経営企画部 兼 CSR推進室, 小野薬品工業株式会社 CSR推進室, system

目標(中長期目標と年度目標)と結果

「ECO VISION 2050」の実現に向けて、「脱炭素社会の実現」、「水循環社会の実現」、「資源循環社会の実現」の3つを重点項目と定め、温室効果ガス、水、廃棄物についての具体的な中長期目標を2019年に設定するとともに、年度目標を毎年設定しています。

温室効果ガス

中長期目標と年度目標

当社の中長期的な温室効果ガス削減目標は、SBTiから最も意欲的な目標「1.5°C目標」に分類されています。詳細は、こちらをご参照ください。エネルギーについては、RE100(2020年6月加盟)に沿い、再生可能なエネルギーの利用を高めて参ります。

ECO VISION 2050達成のロードマップ
目標に対する結果(進捗状況)
目標 2020年度の結果
  1. 温室効果ガス排出量(スコープ 1+2)(マーケットベース※1)を2030年度に55%削減、2050年度にゼロにする<2017年度比> 【ECO VISION 2050】
    • ※1  各電力事業社が公表している排出係数を基に算出した温室効果ガス排出量
  1. 温室効果ガス排出量(スコープ1+2)は、2017年度比12.6%削減
  1. 温室効果ガス排出量(スコープ3)を、2030年度に30%削減、2050年度に60%削減する<2017年度比>【ECO VISION 2050】
  1. 温室効果ガス排出量(スコープ3)は、2017年度比27.6%削減(スコープ3については、算出時点では当社の主要取引先および医薬品卸の2020年度CSRレポートが公開されていないため2019年度結果です。)
  1. 全消費電力に占める再生可能エネルギー利用率を、2030年度に55%以上、2050年に100%にする
  1. 全消費電力に占める再生可能エネルギー利用率は、13.2%
  • 【ECO VISION 2050】を付した項目は、中長期環境ビジョン「ECO VISION 2050」の実現に向けて設定した具体的な中長期目標です。

中長期目標と年度目標
  1. 2030年度に、水資源使用量(取水量)を生産数量原単位で15%削減する<2017年度比>
  2. 水資源使用量(取水量)を前年度以下とする <年度目標>
目標に対する結果(進捗状況)
目標 2020年度の結果
  1. 2030年度に、水資源使用量(取水量)を生産数量原単位で15%削減する<2017年度比>【ECO VISION 2050】
  1. 水資源使用量(取水量)は、生産数量原単位で2017年度比4.6%増加
  1. 水資源使用量(取水量)を前年度(2019年度:296.7千m3)以下とする <年度目標>
  1. 水資源使用量(取水量)は、2019年度比17.2%(51.1千m3)削減
  • 【ECO VISION 2050】を付した項目は、中長期環境ビジョン「ECO VISION 2050」の実現に向けて設定した具体的な中長期目標です。

廃棄物

中長期目標と年度目標
  1. 産業廃棄物の最終埋立処分率を毎年1%以下とする
    • 非リサイクル(=埋立・単純焼却)の割合を総量の1%以下とすることを、小野の「ゼロエミッション」の基準とする
  2. 2030年度に、産業廃棄物の排出量を生産数量原単位で15%削減する<2017年度比>
  3. 事業活動において、環境負荷低減を促進していく。
  4. 産業廃棄物の排出量を前年度以下とする<年度目標>
目標に対する結果(進捗状況)
目標 2020年度の結果
  1. 産業廃棄物の最終埋立処分率を毎年1%以下とする【ECO VISION 2050】
    • *  非リサイクル(=埋立・単純焼却)の割合を総量の1%以下とすることを、小野の「ゼロエミッション」の基準とする
  1. 産業廃棄物の最終埋立処分率は0.2%となり、ゼロエミッションを引き続き達成
  1. 2030年度に、産業廃棄物の排出量を生産数量原単位で15%削減する<2017年度比>【ECO VISION 2050】
  1. 産業廃棄物の排出量は、生産数量原単位で2017年度比13.2%増加
  1. 事業活動において、環境負荷低減を促進していく【ECO VISION 2050】
  1. 製品包装などにおいて、材質変更や包装形態の変更を通して、環境負荷を低減(詳細は、「環境負荷低減の促進に向けた取り組み」をご確認ください。)
  1. 産業廃棄物の排出量を前年度(2019年度:430.8t)以下とする<年度目標>
  1. 産業廃棄物の排出量は2019年度比71.9t増加
  • 【ECO VISION 2050】を付した項目は、中長期環境ビジョン「ECO VISION 2050」の実現に向けて設定した具体的な中長期目標です。
小野薬品工業株式会社 経営企画部 兼 CSR推進室, 小野薬品工業株式会社 CSR推進室, system

脱炭素社会の実現に向けて

気候変動関連の情報開示(TCFD提言に基づく開示)

当社が事業活動を行う上で、脱炭素社会の実現は重要な項目の一つと捉え、全社で様々な取り組みを進めています。気候変動に関するリスク・機会については、2019年10月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言への賛同を表明しました(詳細は、こちら)。TCFDは気候変動がもたらす財務的影響を把握し、開示することを目的に、金融安定理事会(FSB)によって設立されたタスクフォースで、2017年6月に情報開示のあり方に関する提言を公表しています。当社ではこの提言を踏まえ、気候変動に関連するリスクと機会の評価や管理を行い、適切な情報開示を行っていきます。

ガバナンス

気候変動問題に対する責任者として環境担当執行役員を選任しています。環境担当執行役員は環境委員会の委員長を務め、気候変動問題についての検討を四半期に1回以上の頻度で行っています。また、環境担当執行役員はCSR委員会の委員長も兼任しているほか、経営会議のメンバーでもあり、CSR委員会や経営会議において、環境委員会の活動結果を半年に1回以上の頻度で議題に挙げ報告・討議しています。CSR委員会や経営会議での検討結果は、年1回以上、取締役会にて報告し、全取締役にも共有しています。

2019年度にTCFD検討ワーキンググループを立ち上げ、気候変動におけるリスクと機会の特定ならびに評価、および対応について検討を重ねました。特定したリスクおよび機会は、TCFDワーキンググループにおいて毎年見直します。ワーキンググループは、環境担当執行役員が責任者となり、関連主要部署責任者(財務責任者、経営企画責任者)やリスクマネジメント室の責任者もメンバーに加えることで、経営戦略の一環として気候関連課題に取り組んでいます。

ロゴ

また、当社は、TCFD 提言へ賛同する企業や金融機関等が、企業の効果的な情報開示や開示された情報を金融機関等の適切な投資判断に繋げるための取組について議論する場である「TCFD コンソーシアム」に参加しています。2020年度には、TCFDコンソーシアムが主催する機関投資家との小規模の意見交換会(ラウンドテーブル)に参加しました。

ロゴ

戦略
~気候変動に関するリスク・機会の分析・評価~

気候変動に関するリスク・機会については、TCFD検討ワーキンググループが中心となり、1.5℃シナリオおよび4℃シナリオを用いて分析、評価を行っています。2020年度は、製品構成や仕入れ先の変更等を勘案し、物理的リスク※2について影響額を見直しました。なお、移行リスク※3の影響額については、算定時の前提条件に特に変更はないため、見直しは行いませんでした。分析の結果、どちらのシナリオにおいても当社が財務上重大と認めるリスクはありませんでした。国際社会の動向を継続して確認するとともに、財務的影響の比較的大きいリスク・機会の影響を注視していきます。

  • 物理的リスク:脱炭素政策が不透明で、気候変動によってもたらされる災害等による急性あるいは慢性的な被害
  • 移行リスク: 脱炭素政策が世界中で強化され、例えば気候変動政策および規制や、技術開発、市場動向、市場における評価等の変化によってもたらされるリスク

<気候変動に関するリスク>

要因 バリューチェーン リスクと影響 財務
影響
管理手法
1.5℃を目指す社会 規制によるリスク 自社 炭素税の負担増 気候変動に関する規制が強化され、温室効果ガス排出量への炭素税負担が増加する可能性がある 19
億円

緩和

・1.5℃目標に沿った温室効果ガス排出削減目標(スコープ1+2)の達成
・達成のための省エネルギー、再生可能エネルギー投資計画の実施
調達先 調達価格への炭素税の転嫁 気候変動に関する規制が強化され、調達先の温室効果ガス排出量にかかる炭素税負担が増加し、当社調達価格へ転嫁されコストが上昇する可能性がある 6
億円

緩和

・温室効果ガス排出削減目標(スコープ3)の達成
・達成のためのサプライヤーへのエンゲージメントの強化
4℃上昇した場合 物理的影響によるリスク 自社、製造委託先、サプライヤー 洪水リスク(急性) 急性的な台風等の被害(洪水)リスクが大きくなり、製造設備毀損による操業の中断や貯蔵設備の毀損により収益の低下を招く可能性がある 34
億円

適応

・主要拠点への非常用発電機導入および定期メンテナンスの実施
・ERM(全社的リスクマネジメント、 Enterprise Risk Management)への気候リスクの統合
・取引先との協力体制の確保(製品保管先、取引先の防水対策の検討等)
・複数供給先の確保
・取引先選定プロセスにおける気候変動による洪水の影響を勘案
水不足リスク(慢性) 充分な在庫を確保しているため、長期的な水資源枯渇により、水の使用制限による操業の中断が発生し、収益の低下を招くリスクは現時点ではない。 0
億円

適応

・機会損失を起こさない適正在庫の確保
・取引先との協力体制の確保
  • 財務影響は1.5℃もしくは4℃における2020~2030年の最大値。(規制によるリスクは累計値。)

緩和気候変動の原因となる温室効果ガスの排出削減対策, 適応既に生じている(あるいは、将来予測される)気候変動による影響による被害の防止・軽減対策

<気候変動に関する機会>

要因 バリューチェーン 機会と影響 財務
影響
管理手法
1.5℃を目指す社会 資源の効率性による機会 自社 高効率製薬プロセス 高効率製薬プロセス(グリーン・サステイナブル・ケミストリー※4等)技術の導入により、原材料コストの削減等の機会と成り得る
  • グリーン・サステイナブル・ケミストリー: 持続可能な社会を実現するため化学物質のライフサイクル全体において環境負荷を低減しようとするコンセプト
23
億円
・資源効率に関する指標の設定
・体制の整備
4℃上昇した場合 事業による機会 顧客 予防・治癒製品 温暖化により疾病動向が変化した際に、それらに対する既存医薬品(メラノーマ治療薬等)の需要が高まる、または新薬を開発販売することで収益に好影響を及ぼす可能性がある 5
億円
・既存医薬品の効能追加
・新規化合物ライブラリーの充実
・オープンイノベーションの活用等
1.5℃を目指す社会 評判による機会 投資家、顧客、採用市場 企業価値向上 当社の気候変動への取り組みが顧客からの信頼獲得、従業員の定着、人財採用での評価向上、ESG投資家からの評価向上等の企業価値創出に寄与することが想定される (企業価値創出として寄与) 実施した活動結果の適正な外部公表
  • 財務影響は1.5℃もしくは4℃における2020~2030年の最大値。(資源の効率性による機会は累計値。)

<分析手法>

気候変動シナリオの選択

脱炭素社会に向かう1.5℃シナリオと温暖化が進む4℃シナリオを用いて、分析、評価を行いました。

  • * 1.5℃シナリオは、国際エネルギー機関による「持続可能な開発シナリオ」、 4℃シナリオは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による「RCP8.5シナリオ(代表的濃度経路(Representative Concentration Pathways)の1つで2100年に約4度の気温上昇が予測されるシナリオ)」や国際エネルギー機関による「公表政策シナリオ」等を用いました。

【気候変動シナリオの考え方】

グラフ

(「気候変動 2013自然科学的根拠 政策決定者向け要約」(IPCC、2013)のP.19 世界平均地上気温変化をもとに当社作成)

シナリオ選択の理由
  • RCP8.5シナリオは、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による「代表的濃度経路(Representative Concentration Pathways)」の1つで2100年に約4℃の気温上昇が予測されるシナリオです。本シナリオは4℃シナリオとして国際的に広く使用されており、4℃の複数シナリオの1つとして選択しました。
  • 持続可能な開発シナリオは、「世界エネルギー展望 World Energy Outlook」(WEO)で参照されているシナリオの一つです。WEOは、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency )の主力出版物であり、世界のエネルギー予測と分析の最も信頼できる情報源として広く認識されています。 持続可能な開発シナリオは、気温の上昇を「2℃未満、(可能であれば)1.5℃ に抑える努力をする」というパリ協定と一致した道筋を示したものであり、かつ当社「1.5°C目標」と整合しているため、1.5℃のシナリオとして選択しました。
分析の範囲と重要なポイント
  • 分析の範囲は国内の自社工場、および国内外の製造委託先、サプライヤー、投資家、顧客、人財採用等を含み、期間は2020~2030年度を、分野は当社主力事業である医薬品製造業を検討対象としました。

リスク・機会の管理

リスク・機会の特定については、リスク・機会ごとに発生時期や発生確率、影響を及ぼす範囲を分析し、対策内容などを評価した上で、総合的に優先度合を決定しています。事業への影響が大きいものや発生確率の高いもの、対策の費用対効果が高いものを優先して特定し、環境委員会にて管理しています。特定したリスクについては、全社リスクマネジメント委員会にて対策を検討の上、経営会議に提案し、承認を得ています。経営会議で承認された対策に基づき、生産事業所や研究所等の責任者がその実行にあたり、総合的にリスクを管理しています。リスク・機会の影響は毎年見直され、その管理状況について環境委員会とCSR委員会および経営会議において報告されています。

指標と目標

中長期環境ビジョンにもとづく温室効果ガス排出量削減目標を達成するためのロードマップを作成し、目標達成に必要な施策やコストの検討などを行っています。当社の中長期的な温室効果ガス排出量削減目標は、国際的イニシアティブである「Science Based Targets initiative(SBTi)※5」から科学的根拠に基づいていることが認められ、スコープ1+2については最も厳しい目標「1.5°C目標」に分類されています。中長期目標の達成に向けて、単年度目標を設定し、目標に対する結果(進捗状況)について評価を行っています(2020年度目標は2017年度比12.6%以上削減)。また、当社のバリューチェーンにおける温室効果ガス排出量(スコープ3)についても、環境省のガイドラインに従い15のカテゴリーに分け、2014年度分から国内事業所を対象に算定しています。
また、水リスクについては、年に1回リスク分析を行い、全社リスクの一つ「災害/気候変動リスク」として取り上げ、BCP(事業継続計画)に基づき、適正な製品在庫の確保等の対策を実施しています。今後も、取引先との協力体制の構築や複数供給先の確保、取引先選定プロセスにおける気候変動による洪水・水不足の影響の勘案等についても検討していきます。

  • * 気候変動に関するリスクと機会、温室効果ガス排出量などの詳細はCDP Climate Changeで回答していますので、CDPのホームページからご確認いただけます(CDPのIDが必要です)。
  • SBTi:科学的根拠に基づくパリ協定に則った温室効果ガス削減目標の設定を企業等に促す国際的イニシアティブ

カーボンプライシング

環境関連の投資判断においては、カーボンプライシング※6を導入し、低炭素投資の優先順位の引き上げに活用しています。

  • カーボンプライシング:活動を低炭素化の方向へ促進するために、設備から排出される温室効果ガス排出量に価格付けをし、経営の意思決定に反映すること

脱炭素社会の実現に向けての進捗

目標と進捗はこちらをご確認ください。

中長期環境ビジョンにもとづく温室効果ガス排出量削減目標に対する2020年度の進捗結果は、スコープ1+2(マーケットベース※7)で2017年度比12.6%以上削減の目標に対し、12.6%削減(2017年度;29.8千t-CO2、2020年度:26.1千t-CO2)となり、スコープ3で2017年度比27.6%削減(2017年度;75.1千t-CO2、2019年度:54.4千t-CO2)となりました。
再生可能なエネルギーの利用については、RE100※8(2020年6月加盟)に沿い、2020年度目標(全消費電力に占める再生可能エネルギー利用率を12.6%以上)を達成し、13.2%となりました。

  • スコープ3排出量については、算定時点で当社の主要医薬品卸の2020年度データが公表されていないため2019年度の排出量で算定
  • マーケットベース:各電力事業社が公表している排出係数を基に算定した温室効果ガス排出量
  • RE100:事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目指す国際イニシアティブ

脱炭素社会の実現に向けての進捗(データ)

温室効果ガス排出量(Scope1+2)

グラフ
  • * 温室効果ガス排出量のデータ集計サイト:フジヤマ工場/城東製品開発センター/山口工場(2018年度より追加)/水無瀬研究所/福井研究所/筑波研究所/本社/各支社・営業所等
    温室効果ガス排出量は、下記の計算方法を用いて算定しています。
    温室効果ガス排出量=購入電力量×電力会社公表の調整後排出係数+Σ(燃料使用量×単位発熱量×炭素排出係数×44/12)+Σ(フロン類漏洩量×地球温暖化係数)
    グリーン電力証書のグリーン電力相当量及びJ-クレジット制度の認証再生可能エネルギー相当量を控除しています。

温室効果ガス排出量 スコープ別内訳(マ―ケットベース)

グラフ

スコープ1のGHG種類別内訳

グラフ
  • * GHG種類は「地球温暖化対策の推進に関する法律」の「温室効果ガス排出量の算定・報告・公表制度」に基づく

エネルギー使用量

グラフ
  • * エネルギー使用量のデータ集計サイト:フジヤマ工場/城東製品開発センター/山口工場(2018年度より追加)/水無瀬研究所/福井研究所/筑波研究所/本社/各支社・営業所等

電力消費量と再生可能エネルギー利用率

グラフ

脱炭素社会実現に向けた取り組み

温室効果ガス排出量削減ロードマップの策定

  • 「令和元年度SBT達成に向けたCO2削減計画策定支援モデル事業」(環境省主催)への参加
    SBTiの「1.5°C目標」に分類されている企業は、日本では30社のみです(2021年3月末現在)。このようにチャレンジングな目標を達成するため、当社は「令和元年度SBT達成に向けたCO2削減計画策定支援モデル事業」(環境省主催)に参加し、専門家の調査・助言に基づき、将来の新技術などを取り入れた実現性の高い温室効果ガス排出量削減ロードマップを策定しました。
  • 温室効果ガス排出量削減方針の議論
    2020年度は、温室効果ガス排出量削減方針について、改めて議論しました。具体的には、施策の優先度を、省エネルギー活動推進、再生可能エネルギー設備導入、カーボンフリーエネルギーの調達、クレジット活用の順とし、昨今のエネルギー市場動向、コスト、排出係数変動予測などをふまえ、クレジット活用と比してカーボンフリーエネルギーの調達割合を高める見直しを行いました。整理する際に、IEMAの温室効果ガス(GHG)管理ヒエラルキーを参考にしました。

* IEMAのGHG管理ヒエラルキ-の出典:Institute of Environmental Management and Assessment (IEMA) Greenhouse Gas Management Hierarchy, first published in 2009 (updated 2020), www.iema.net

当社の温室効果ガス排出量削減施策の優先度
(出典:ENECHANGE株式会社資料を参考に当社作成)

省エネルギーの推進

  • 先進的な技術導入
    • -照明を蛍光灯からLEDに更新
    • -熱源設備をモジュールタイプヒートポンプチラーへ更新
    • -待機電力が極めて低い超高効率型アモルファス変圧器の導入
    • -低風量型(プッシュ・プル型)超高速VAV(可変風量)式局所排気装置
    • -高清浄度エリアを限定できる無菌アイソレータシステムの導入
  • 運用改善
    • ―高温排水から熱回収を行い温熱源として使用
  • 設備運転時間や設定温度などの見直し
  • クールビズ・ウォームビズの実施
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モジュールタイプヒートポンプチラー(水無瀬研究所)
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低風量型(プッシュ・プル型)超高速VAV(可変風量)式局所排気装置(操作パネル上で排気ファン出力の見える化)(水無瀬研究所)

再生可能エネルギーの導入

  • 太陽光発電設備の導入・運用:本社ビル(2003年度)、水無瀬研究所(2015年度)、東京ビル(2017年度)
  • 再エネ電力メニュー契約による買電:水無瀬研究所(2019年度~)(2020年度は、トラッキング付かつより安定的に調達できる定量契約への切り替え
  • グリーン電力証書(2018年度~)およびJ-クレジット(2019年度~)の購入
    再生可能エネルギーで発電された電力の電力証書やJ-クレジットを購入することにより、再生可能エネルギー活用を推進しています。
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太陽光発電パネル(水無瀬研究所)
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太陽光発電量集計システム(水無瀬研究所)
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グリーン電力証書

燃料転換

  • 工場・研究所において、重油・灯油から都市ガス・天然ガスへの燃料転換を完了
    (燃料を燃焼してエネルギーを得る際に排出される温室効果ガス排出量は、重油・灯油よりも都市ガス・天然ガスの方が少ない)

電気需要平準化

  • 夜間の蓄熱システムならびにコージェネレーションシステムを利用した日中使用電力のピークシフトならびにピークカットを実施
  • 大容量蓄電システム(NAS電池システム)を利用した瞬時電圧低下時の生産ラインの保護ならびに日中使用電力のピークカットを実施
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大容量蓄電システム(山口工場)

環境配慮オフィス設計

  • 米国の新オフィス計画に際しては、LEED※9のGold認証を取得しているビルを選定しました。国内では、東京自社ビルがCASBEE®※10のSクラスを取得しています。今後も環境に配慮したオフィス設計を進めていきます。
  • ※9 LEED(リード):米国グリーンビルディング協会(USGBC:US Green Building Council)が開発および運用を行っている建物と敷地利用についての環境性能評価システム。省エネと環境に配慮した建物・敷地利用を先導するシステムで、Leadership in Energy and Environmental Designと名付けられた。頭文字をとり、LEEDという名称で呼ばれている。
  • ※10 CASBEE(キャスビー)(建築環境総合性能評価システム):建築物の環境性能で評価し格付けする手法。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮はもとより、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価するシステム。Sクラスは、5段階の内、最高レベルの評価である。

フロン管理

「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(略称「フロン排出抑制法」)にもとづき、対象設備の把握、簡易点検・定期点検、記録の作成、漏洩量の算定・報告などを実施しています。2020年度のフロン類算定漏洩量は88t-CO2でした。今後も漏洩防止に努めるとともに機器更新時にノンフロンや低GWP機器の導入を進めます。

グリーンサステイナブルケミストリーへの取り組み

研究開発段階から、より環境に配慮した医薬品原薬の製造工程開発に取り組むために、グリーンサスティナブルケミストリー(「Green Sustainable Chemistry」以下、GSC)の考えを取り入れています。GSCは原料の選択から製造、廃棄までの全工程において、環境への負荷をできる限り低減しようとするコンセプトであり、製薬業界においても2000年代中頃より徐々にその考えが広まり始めています。当社におきましてもGSCの考えを取り入れて、廃棄物量を最小化することを開発段階から意識して医薬品原薬の製造工程開発に取り組めるよう、2018年より事業所内GSC作業部会を発足し活動しています。なお、本取り組みは、TCFD分析により気候変動に関する機会の一つとして抽出しています。

気候変動関連の取り組みに対する外部評価

  • 英国CDPが実施している気候変動の調査において、最高評価である「Aリスト」に3年連続選出(2018~2020年度)
  • 令和元年度地球温暖化防止活動環境大臣表彰(環境省)の「対策活動実践・普及部門」を受賞
  • 令和2年度おおさかストップ温暖化賞の大阪府知事賞を水無瀬研究所が受賞
  • 『エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)』において省エネの取り組みが進んでいる優良事業者として6年連続最高ランクである S ランクの評価取得(2015~2020年度)
  • 省エネ事例集(近畿経済産業局)に多様な視点から省エネルギー成果を上げている特定事業者として紹介

バリューチェーンにおける温室効果ガス排出量(スコープ3)

当社のバリューチェーンにおける温室効果ガス排出量(スコープ3)を環境省のガイドラインに従い15のカテゴリーに分け、2014年度分から国内事業所を対象に算定しています。

カテゴリー 2019年度排出量
(千t-CO2
2020年度排出量
(千t-CO2
算定方法 備考
カテゴリ1 購入した製品・サービス 11.5 - 当社の原料、材料の主要取引先(全原料、材料の購入金額の80%以上をカバー)のCO2排出量(スコープ1・2)に、取引先の売上高に含まれる当社への売上高割合を乗じて計算。その他の調達先の比率に関しても、主要取引先と同様の傾向と仮定し、主要取引先における取引額に対するCO2排出量割合を用いて算定。 本カテゴリは、医薬品、中間製品、研究用試薬の製造に使用される医薬品有効成分を含むため、事業活動との関連性が非常に高い。
・対象は生産事業所および研究所
・2020年度の排出量については、算定時点で、当社の主要取引先のデータが公表されていないため、算定していない。
カテゴリ2 資本財 26.9 25.8 固定資産として扱われる資本財(設備の増強・維持投資)の内、土地を除いた価格に係数を乗じて算定 固定資産として扱われる資本財に基づいて計算。本計算で使用される固定資産は、事業活動に不可欠である。
カテゴリ3 Scope1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 2.8 2.7 非再エネ由来の購入電力量に排出係数を乗じて算定 -
カテゴリ4 輸送、配送(上流) 0.1 0.1 当社自社生産事業所および物流センターから配送先までの輸送データに排出係数を乗じて算定 -
カテゴリ5 事業から出る廃棄物 0.3 0.3 排出した廃棄物の種類別の重量値に排出係数を乗じて算定 -
カテゴリ6 出張 4.0 0.4 出張交通費支給額に排出係数を乗じて算定 対象は、飛行機及び新幹線の利用
カテゴリ7 雇用者の通勤 0.5 0.4 通勤交通費支給額に排出係数を乗じて算定 -
カテゴリ8 リース資産(上流) 2.9 2.0 リース営業車で使用した燃料消費量に排出係数を乗じて算定 -
カテゴリ9 輸送、配送(下流) 4.9 - 当社の主要医薬品卸のCSRレポート記載のCO2排出量に、主要医薬品卸全体の売上高に含まれる当社の売上高割合を乗じて算定 医薬品の流通を管理し、安定的な供給を確保するために、輸送・流通は重要な事業活動である。
2020年度の排出量については、算定時点で、当社の主要医薬品卸のデータが公表されていないため、算定していない。
カテゴリ10 販売した製品の加工 関連していない 関連していない - 当社は完成品のみを販売している
カテゴリ11 販売した製品の使用 関連していない 関連していない - 医薬品の特性上、製品使用に基づくエネルギー使用がない
カテゴリ12 販売した製品の廃棄 0.2 0.2 販売した製品の容器と包装の材料別重量に、排出係数を乗じて算定 -
カテゴリ13 リース資産(下流) 0.3 0.3 賃貸している保有資産(建物)の用途別の建物床面積に、排出係数を乗じて算定 -
カテゴリ14 フランチャイズ 関連していない 関連していない - 当社はフランチャイズ店を運営していない
カテゴリ15 投資 関連していない 関連していない - 多量の温室効果ガス排出を伴う投資を行っていない。
合計 54.4 - - 2020年度の排出量については、算定時点で、当社の主要医薬品卸のデータが公表されていないため、算定していない。
  • * 算定方法の排出係数は、環境省公表の「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース(2019年度はver.3.0、2020年度はver.3.1)」に記載の値
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水循環社会の実現に向けて

当社が事業活動を行う上で、良質な淡水が利用可能であることは重要な要素の一つであり、限りある水資源への負荷を減らすため、中長期目標を設定し、水循環社会の実現に向けて取り組んでいます。水に関するリスクについては、環境委員会が中心となり調査を行い、事業に影響を及ぼすと考えられるリスクを把握し、分析、評価を行っています。
水使用量が多い主要拠点の水リスク評価は、世界資源研究所の水リスク評価ツール(WRI AQUEDUCT)を用いて実施しています。2019年度末時点で当社の主要事業所は水ストレスが「非常に高い(Extremely high risk)」に分類される地域での操業を行っておらず、事業に必要となる良質な淡水の利用が可能な地域での操業を行っており、事業活動への影響を受けていません*。なお、当社は、英国CDPが実施している水セキュリティの調査において、2018年度のBから2019年度にはAマイナスへと評価が向上し、2020年度においてもAマイナス評価を維持しています。

*工場及び研究所での取水量は全事業所の9割を占めており(2020年度)、それぞれの水ストレス分類は次の通りです。低~中(Low-medium):山口工場、水無瀬研究所、福井研究所、城東製品開発センター、中~高(Medium to high):フジヤマ工場、筑波研究所。また、当社グループの韓国小野薬品工業株式会社(韓国)の所在地は、水ストレスが「高い(High)」に分類されていますが、水使用量が比較的多い工場や研究施設ではなく、臨床開発および販売を主要事業としており、水使用は事業所における生活水が中心です。

水に関するリスクと機会の分析の評価

リスク要因 期間 詳細 影響 管理手法
規制によるリスク 良質な淡水の利用制限 長期 良質な淡水の利用ができなくなり、生産活動および研究活動が制限される。 運用コストの増加
  1. 供給する医薬品の確保
  2. 新工場設立によるリスク分散
物理的影響によるリスク 良質な淡水の利用制限/水不足 長期 良質な淡水の利用ができなくなり、生産活動および研究活動が制限される。 運用コストの増加
  1. 供給する医薬品の確保
  2. 新工場設立によるリスク分散
水質の低下 長期 良質な淡水の利用ができなくなり、生産活動および研究活動が制限される。 運用コストの増加
  1. 設備投資
  2. 水質の分析と管理
浸水/豪雨等の災害 長期 事業所周辺の河川の氾濫や集中豪雨による設備の浸水が発生する。 運用コストの増加
  1. 供給する医薬品の確保
  2. 設備投資
その他のリスク 評判リスク 短期 当社の水への対応に対する外部評価が低いと株価に悪影響を及ぼす 株価の低下 実施した活動結果の適正な外部公表
機会要因 期間 詳細 影響 管理手法
物理的影響による機会 水不足 長期 水がなくても使用できる既存医薬品の需要が高まる、または新薬開発の機会につながり、収益に好影響を及ぼす。 既存製品/サービスの需要増新規製品/サービス
  1. 既存医薬品の剤形変更
  2. 新薬開発

水に関するリスクと機会、取水量・排水量等に関する詳細はCDP waterで回答していますので、CDPのホームページからご確認いただけます(CDPのIDが必要です)。

水循環社会実現に向けての進捗

環境ビジョンにおける水循環社会の実現に向けた中期目標「2030年度に、水資源使用量(取水量)を生産数量原単位で15%削減する(2017年度比)」の達成に向けて「取水量を前年度以下とする」との年度目標を定め、事業活動に伴う水使用量削減に取り組んでいます。2020年度の取水量は245.6千㎥で、2019年度比で17.2%(51.1千㎥)削減でき、年度目標を達成しました。
水使用量削減のための具体的な取り組みとしては、工場での密閉性の高い扉の導入による防虫用流水トラップの停止、熱排水タンクの設定温度調整による冷却水の削減、研究所での空冷チラー・全熱交換器への水噴霧停止や水噴霧作動設定温度の変更などの実施が挙げられます。また、事業所の増改築時や設備更新時には、節水型衛生器具を採用しています。その他、福井研究所では再利用水設備を導入しており、取水量を抑制しています。
なお、2020年度の生産数量原単位は2017年度比で4.6%増加となりました。この主な要因は、原単位の分母である生産箱数の減少によるものです(主力製品において、基準年度の2017年度にはなかった大容量規格が2018年度から追加され、同じ製造量であっても生産箱数が見かけ上少なく計算されるため、原単位の分母である生産箱数が大きく減少しました)。

取水量(水資源使用量)と取水量原単位

グラフ
  • 2019年度から本社およびその他の国内事業所分を2017年度まで遡って追加しております。

排水量

グラフ
  • 水使用量および排水量のデータ集計サイト:フジヤマ工場/城東製品開発センター/山口工場(2018年度より追加)/水無瀬研究所/福井研究所/筑波研究所/本社/各支社・営業所等
    2019年度から本社およびその他の国内事業所分を2017年度まで遡って追加しております。
施設別の取水量および排水量(単位:千m3
施設名 流域河川 排水先 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
取水量 排水量 取水量 排水量 取水量 排水量 取水量 排水量 取水量 排水量
フジヤマ工場 富士川 河川 195.7 128.9 205.6 148.6 240.2 178.4 185.0 145.1 157.8 125.0
城東製品開発センター 淀川 下水道 7.2 7.2 5.5 5.5 6.0 6.0 5.1 5.1 4.6 4.6
山口工場 椹野川 河川 - - - - 8.2 8.2 18.1 18.1 18.6 17.7
水無瀬研究所 淀川 下水道 45.2 45.2 51.3 51.3 41.2 41.2 39.1 39.1 33.7 33.7
福井研究所 九頭竜川 下水道 39.4 7.5 38.7 5.2 31.3 5.0 27.3 5.7 13.7 2.6
筑波研究所 霞ヶ浦 下水道 10.9 10.9 8.1 8.1 6.0 6.0 7.1 7.1 7.2 7.2
本社およびその他の国内事業所(一部テナント含む) 主要事業所の流域河川※11 下水道 - - 15.9 15.9 15.1 15.1 15.0 15.0 10.0 10.0
合計 298.4 199.7 325.1 234.6 348.0 259.9 296.7 235.2 245.6 200.8
  • ※11 主要事業所の流域河川:豊平川、大倉川、荒川、酒匂川、木曽川、琵琶湖、淀川、太田川、吉野川、那珂川
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資源循環社会の実現に向けて

当社が事業活動を行う上で、資源循環社会の実現は重点項目の一つと認識し、環境委員会の下部組織である資源循環分科会が中心となり、全社での取り組みを進めています。分科会では、「4R(refuse・reduce・reuse・recycle)の推進」と「環境負荷低減素材の選択」を基本方針のもと、廃棄物発生工程の調査や分析・資源循環社会の実現に向けた施策の検討や評価を行い、環境保全を通して持続可能な社会に向けて、取り組みを強化しています。

資源循環社会に向けての進捗

目標と進捗はこちらをご確認ください。

資源循環社会に向けての進捗(データ)

2020年度の産業廃棄物の最終埋立処分率は0.2%であり、ゼロエミッション※12を継続して達成しました。また、産業廃棄物排出量については、総量で前年度比71.9tの増加、生産数量原単位は2017年度比で13.2%増加と、いずれも目標は未達成でした。排出量増加の主な要因は、水無瀬研究所の改修工事に伴う不要物の撤去、高活性製剤の製造量増加に伴う高活性廃水の増加、および山口工場の稼働によるものです。生産数量原単位が増加した主な要因は、産業廃棄物排出量の増加に加えて主力製品の規格変更(高容量品の追加)により分母の生産箱数が減少したことによります。

  • ※12 事業活動によって排出される産業廃棄物を再資源化することにより、最終埋立処分率(最終埋立処分量/ 産業廃棄物発生量×100)を1.0%以下とすること。

産業廃棄物最終埋立処分量及び最終埋立処分率

グラフ
  • 産業廃棄物最終埋立処分量及び最終埋立処分率のデータ集計サイト:フジヤマ工場/城東製品開発センター/山口工場(2018年度より追加)/水無瀬研究所/福井研究所/筑波研究所
  • 2017年度の産業廃棄物最終埋立処分量のうち、城東製品開発センターの改修工事に伴う排出量(5.8t)は含んで算出。
産業廃棄物排出量に関わる原単位(kg/生産数量)
  2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2030年度
(目標)
産業廃棄物排出量に関わる原単位 0.197 0.128 0.174 0.223 0.167
  • 2017年度の産業廃棄物排出量のうち、城東製品開発センターの改修工事に伴う排出量(25.64t)は除いて算出。

産業廃棄物排出量及び特別管理産業廃棄物排出量(有害廃棄物排出量)

グラフ
  • データ集計サイト:フジヤマ工場/城東製品開発センター/山口工場(2018年度より追加)/水無瀬研究所/福井研究所/筑波研究所
  • 特別管理産業廃棄物(有害廃棄物排出量):廃棄物処理法で「爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活環境に係る被害を生ずるおそれがある性状を有する廃棄物」として規定されており、適切な管理に努めています。

資源循環社会に向けての取り組み

書類の電子化による紙資料の削減など、全社で廃棄物発生の抑制に努めるとともに、研究所と工場では不要になった紙くず・金属くずなどを有価物として売却、研究所では使用しなくなった実験機器の売却を行っています。さらに、研究所、工場から発生する産業廃棄物(特別管理産業廃棄物含む)については、埋立処分せずにリサイクルを行っている中間処理 委託先を選択しています。
また、製剤開発においては、コンピュータによるシミュレーション技術を用いた検討も開始しており、原材料(廃棄物)の削減にもつながると期待しております。
様々な取り組みを推進し、今後も資源循環社会の実現に向けて取り組んでいきます。

環境負荷低減の促進に向けた取り組み

製品包装に対する取り組み

製品包装においても、材質変更や包装形態の変更を通した環境負荷の低減を推進しています。プラスチック使用量削減につながる取り組みでは、2019年度より進めてきた注射剤の中仕切り素材をプラスチックから紙素材へ切り替えた製品が2020年度より流通開始しました。また、医療機関への製品包装に関するアンケートも参考に、新製品のPTPシートの結束方法を袋型(透明ピロー)ではなくバンドを採用することで、プラスチック使用量を低減削減しています。
さらに、個装箱に使用する紙素材をFSC®認証紙へ変更するとともに、使用インクを植物油インクの採用も進めています。環境負荷低減素材の選択をさらに推進するため、品質の検証なども実施しています。

主な内容 取り組み
プラスチックから紙素材への切り替え 一部製品の包装資材変更。2020年度より流通開始
PTPシートの結束方法の見直し変更 2020年度に新発売した3品目でバンドを採用
個装箱のFSC®認証紙への切り替え 2020年度に8品目が流通開始
植物油インクの採用 2020年度に4品目が流通開始
プラスチック使用量削減につながる取り組み
写真
図
個装箱のFSC®認証紙への切り替え及び植物油インクの採用
写真

また、製品の容器包装の再資源化 「容器包装リサイクル法」に基づき、当社が販売した製品の容器包装材の一部は再資源化されています。

2020年度(単位:トン)
  容器包装使用量 再商品化義務量
プラスチック 161.5 35.1
198.1 1.4
ガラス(無色) 0 0
ガラス(茶色) 0.2 0
再商品化委託料金:1,814千円

その他の取り組み

紙製ファイルの導入

2020年1月より、紙製のファイルの運用を開始しています。プラスチック製ファイルの一部を紙製のファイルに切り替えることで、プラスチック使用量の削減につなげています。

写真
コピー用紙の使用や文房具の購入

コピー用については、印刷管理を行うとともに、2017年10月にグローバルで導入したクラウドストレージ”box”により、ペーパレス化の促進とともに、ファイルの保存・共有に費やす労力の削減につながっています。また、購買については、購買システムに掲載される製品が、グリーン購入法に適合した製品かどうかを分かりやすく表示し、1人1人が環境への意識をもつよう、社内で啓発を進めています。

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環境リスク低減

化学物質管理

化学物質の排出については、法令遵守はもとより、人の健康や生態系に影響を与えることを認識し、可能な限り排出抑制に取り組んでいます。

PRTR法への対応

当社では人の健康や生態系に有害な影響をおよぼす恐れのある化学物質について、化学物質排出把握管理促進法のPRTR制度に基づき適正な管理を行っています。国に報告したPRTR法第1種指定化学物質の取扱量(年間取扱量が1t以上の物質)は、2020年度13.0tと継続して低い水準を維持しています。また、同年度の大気への排出量0.3tおよび水域への排出量0.0tとなり、引き続き低い水準を維持しています。詳細はESGデータ集をご参照下さい。また、報告品目以外の化学物質につきましも、適法、適正に化学物質管理を行っています。引き続き適正な化学物質管理により、環境中への排出抑制に取り組んでいきます。

目標に対する結果
目標 2020年度の結果

PRTR法第1種指定化学物質の環境への排出量抑制

大気への届出化学物質排出量0.3tおよび水域への同排出量は0.0tとなり、引き続き低い水準を維持
PCBの取り扱いについて

廃棄物の適正管理については、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」の公布施行に基づき適正に行っており、年1回、大阪市へポリ塩化ビフェニルPCB廃棄物の保管および処分状況等届出書を提出しています。

事業所 分類 種類 台数
城東製品開発センター 保管 蛍光灯安定器 0
処分済み* コンデンサ、蛍光灯安定器 559
水無瀬研究所 処分済み* コンデンサ 2
  • 城東製品開発センターは2007年度、2019年度及び2020年度に、水無瀬研究所は2014年度に処理施設である日本環境安全事業(株)に搬入しました。なお、城東製品開発センターでは2020年度の再調査で新たにコンデンサ1台が見つかりましたが2020年度中に処分完了しております。
放射性同位元素等の管理

放射性同位元素等の管理については、「放射性同位元素等の規制に関する法律」に基づき適正に行っており、その結果を放射線管理状況報告書として原子力規制委員会に毎年度報告しています。

遺伝子組換え生物等・病原体等

創薬研究・生産活動において使用する遺伝子組換え生物等および病原体等については、「遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」および「感染症の予防および感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」等の関連法令に基づいて定められた社内規程を遵守することによって、環境中への拡散や漏洩を未然に防止しています。また、これらの研究試料の適切な利用を推進するため、社内安全委員会が実験従事者の教育訓練や実験申請の審査を継続して実施しています。

大気汚染・水質汚濁防止

生産事業所では、大気汚染防止法、化学物質排出把握管理促進法、各自治体との公害防止協定など関連法規を遵守し、環境への影響を低減させています。また、関連法規などに基づき、ボイラーやCGS(コジェネレーションシステム)の排ガス・騒音や工場排水の測定を定期的に行い、規制値内の水準を維持しています。
また、PDCAサイクルを事業所内で回し、環境に影響を与える原因となりうる作業について、従業員に環境管理上必要な教育訓練を行い、環境リスクの低減に努めています。
緊急事態の訓練も定期的に行っています。設備機器の異常による高濃度のばい煙の発生、オイルの地中浸透などを想定した予防処置手順に則り、年1回の訓練と、訓練を通じた実地教育を実施しています。
また近年、地球温暖化による異常気象が頻繁に起きているため、それらに起因する事故や緊急事態を想定し、各種マニュアルを策定するとともに、訓練を通して環境への影響を最小限に留めるよう努めています。特に、水質汚濁や土壌汚染につながる事故・緊急事態については、設備のバックアップや増強について検討し、計画的に実施しています。

目標に対する結果
目標 2020年度の結果

排出基準の遵守を徹底し、引き続き環境事故や地域社会からの苦情ゼロに向けて取り組みを継続

大気汚染・水質汚濁ともすべての分析結果において排出基準に適合、地域社会からの苦情ゼロ
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第三者保証

当社は、「サステナビリティデータ2021(PDF版)」で開示するチェックマークの付された2020年度のサステナビリティ情報(環境:「温室効果ガス排出量」、「エネルギー使用量」、「バリューチェーンにおける温室効果ガス排出量(スコープ3)(カテゴリ1および9は前年度データを保証プロセスの中で確認)」、「取水量」、「排水量(排水先含む)」、「産業廃棄物排出量、特別管理産業廃棄物排出量(有害廃棄物排出量)及び最終埋立処分量」、社会:「休業災害発生件数および度数率」)について、情報の信頼性を高めるため第三者保証を受けています。なお、「独立した第三者保証報告書」は、「サステナビリティデータ2021(PDF版)」p.4に掲載しています。

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